取組の背景

教育GP取組担当者の声

少子化に伴う入学者数の減少等、短期大学を取り巻く状況は目まぐるしく変化しており、特に学生の学力低下の問題は年々深刻さを増しています。そのため、授業場面において、学生が授業内容を理解できなかったり、課題を解決できなかったりする状況は必然的に多くなっていることと思われます。

そうした中、たとえ授業内容が理解できない場合でも、学生からわからないところを積極的に質問できれば、多くの場合、教員や友人から助言を得ることで内容を理解し、解決できなかった課題も解決できることでしょう。

しかし、実際の学習場面においては、わからない内容に直面した場合でもほとんどの学生は質問をしないというのが現状です。特に、最も他者からの援助を必要とする学生に限ってわからなくても質問しない傾向は高いように思われます。

学習場面において、他者からの援助を必要とする機会が多いにも関わらず、それを求めない(求められない)という事態は、わからない問題をそのまま放置することに繋がるため克服すべき重要な課題です。

 

こうした現状を打開するためには、問題を自ら発見し他者から適切に助言を引き出す能力である「質問力」の育成とそのための支援体制の確立が重要になります。学力とコミュニケーション力の両方の要素からなる「質問力」は、21世紀に生きる現代の若者に必要な総合力であるといえます。

本学が取り組む「質問力向上を目指した教育プログラムの開発」事業は、こうした「質問力」を育成するための教育プログラムの開発と実践です。

複雑化する現代社会において、他人と協力し合うことで課題を解決することは重要です。そのため、協同的な関係性構築の基盤となる「質問力」はなくてはならない力であると考えます。

宮崎学園短期大学では、本取組における種々の教育プログラムを実践することで、質問力とそれに伴う問題解決力及び対人関係スキルを伸ばし、社会に貢献できる有用な人材を輩出することを目指します。

地方短期大学の現状と本学の使命

地方短期大学の現状現在の大学生、特に短大生は自分から積極的にわからないところを質問することが少ないというのが現状です。

中でも学習場面においては、学習の援助が最も必要となる基礎学力に乏しい学生ほど質問行動が少ないように思われます。

質問力、適切な質問行動を促進し、そこから導かれ、形成される豊かな社会性、専門性、人間性を身につけた学生を育成することは、長年にわたり多くの卒業生を地元地域に送り出してきた本学の使命であると考えています。

 

宮崎学園短期大学のこれまでの教育的取り組みとの関係

本学では、10年ほど前から全教員が一丸となって建学の精神である「礼節と勤労」に基づくきめ細やかな学習支援を一貫して行っています。

こうした取組は、平成10年度に「日本一の地方短大を目指す全学的FD活動の取組」としてGP採択されたことで本学の教育活動の支柱として確立されました。しかし、この取組は主に教職員の職能成長を目指すものであるため、どちらかといえば教員から学生への働きかけに焦点を当てたものでした。

本取組は、従来の取組に加え、学生から教員への主な働きかけである質問行動に焦点をあて、その促進と質問力の形成に対する支援体制を確立することで、本学におけるこれまでの教育活動をより強固にすることを目的としています。

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取組の概要

「質問力」の定義

質問力とは?

学習場面や学習生活において、自分の力だけでは解決できない問題に直面した場合、他者に適切に助言や援助を求めるスキルのことです。むやみに他者の力に頼る依存性とは全く異なり、むしろ問題点を自ら発見し、問題解決の手掛かりを他者から自発的に引き出す自律的な力のことです。

なぜ質問力か?

学習場面において、学生が質問をすることはあまりありません。未解決の問題を放置することは、学生の更なる学力低下を導くことになります。また質問力を身につけないまま社会に出ることは、問題の棚上げによる失敗など仕事や社会生活を送る上でさまざまな弊害を招く恐れがあります。

他者からの援助を適切に引き出す質問力は、現代社会に適応しておく上で必要不可欠なスキルであるといえるでしょう。

質問力を構成する要素

自己モニタリング力
何がわからないのか自分の状態を自分自身で客観的に吟味する力
コミュニケーション力
他者から適切に助言を引き出せる力
自律性
主体的に助言を求めて、問題を解決できる力

質問力向上のための包括的な教育プログラム

1. 授業実践プログラムの導入
○ 質問行動のスキルトレーニング
○ 質問内容の精緻化を目指した授業実践
○ 学生同士の相互援助による協同学習

2. 教員による質問データベースの構築
○ 質問データベース(Web上での質問の受付)の構築
○ 教員の質問力向上ミーティングの実施
○ 授業実践プログラム講習会の実施

3. 学生同士の質問を軸とした相互交流
○ 1年生・2年生合同質問交流会の実施
○ 卒業生との質問交流会の実施
○ Web上での相互の質問と回答

取組の目標・本取組に期待できること

本取組では、複雑な現代社会に適応できる豊かな人間性を持った人材育成の方向性に基づき、上記3つの要素を基盤とする総合力として「質問力」を捉え、この促進とこれに引き続く学生生活の向上、専門性の向上を目指します。

また、他者と協同して問題を解決できるような豊かな社会性とコミュニケーション能力を身に付けた、社会に貢献できる人材育成を目標とし、地域社会の根幹を担う人材として活躍することを期待しています。

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